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お遍路用語集

お遍路用語集

仏教や神仏習合を背景に、人々が生き方や死後の世界をどのように捉え、心の拠り所としてきたかを示す考え方や価値観をまとめたカテゴリです。救済や功徳、来世や涅槃といった概念は、巡礼や修行の意味を支える根本的な思想として受け継がれてきました。

阿弥陀如来 (あみだにょらい)
極楽浄土の主であり、念仏を唱える者を死後に浄土へ導くとされる如来。日本で特に信仰が厚い。
救済 (きゅうさい)
仏や菩薩が衆生の苦しみを取り除き、悟りや安らぎへ導くこと。
功徳 (くどく)
善行によって得られるとされる良い報いや霊的な利益。
現世利益 (げんぜりやく)
病気平癒や商売繁盛など、現世において得られる具体的な利益や幸福。
弘法大師(空海) (こうぼうだいし)
平安時代の僧で真言宗の開祖。四国遍路は弘法大師の修行の地を巡る巡礼であり、遍路において最も重要な存在とされる。
極楽往生 (ごくらくおうじょう)
死後に阿弥陀如来の極楽浄土に生まれ変わることを願い、またその成就を指す仏教用語。
御神木 (ごしんぼく)
神が宿るとされる神聖な木。
山岳信仰 (さんがくしんこう)
山を神聖な存在として崇拝し、修行や祈りの場とする日本古来の信仰形態。仏教や修験道とも深く結びついている。
信仰 (しんこう)
神仏などの超越的存在を信じ、心の拠り所とすること。また、その信じる心。
真言宗 (しんごんしゅう)
空海(弘法大師)によって平安時代に開かれた日本の密教宗派。大日如来を中心仏とし、真言や儀礼によって即身成仏を目指す。
神仏習合 (しんぶつしゅうごう)
神道と仏教が融合し、互いの神や仏を同一視して信仰した日本独自の宗教観。
時宗 (じしゅう)
一遍によって鎌倉時代に開かれた浄土系の宗派。踊り念仏などを通じ、念仏による救済を広めた。
地蔵菩薩 (じぞうぼさつ)
六道を巡って衆生を救うとされる菩薩で、特に子どもや旅人の守護者として信仰される。遍路道でも道端に祀られることが多い。
(ぜん)
坐禅などの実践を通じて自己の本性を見つめ、直感的な悟りを目指す仏教の一派および思想。
曹洞宗 (そうとうしゅう)
道元によって鎌倉時代に日本へ伝えられた禅宗の一派。只管打坐(座禅)を重視し、日常生活の中での修行を説く。
大師 (だいし)
高僧に対して贈られる尊称で、四国遍路では特に弘法大師(空海)を指すことが多い。
大日如来 (だいにちにょらい)
宇宙の真理そのものを象徴する中心仏で、真言宗では最も重要な存在。すべての仏の根源とされる。
天台宗 (てんだいしゅう)
最澄によって平安時代に開かれた宗派で、法華経を中心にあらゆる教えを包摂する総合仏教を特徴とする。
涅槃 (ねはん)
煩悩や苦しみから完全に解放された究極の安らぎの境地。
毘沙門天 (びしゃもんてん)
四天王の一尊で北方を守護する武神。財宝や勝利を授ける守護神として信仰される。
不動明王 (ふどうみょうおう)
怒りの表情で煩悩を断ち切る守護尊。真言宗で重視され、強い意志や修行者を守る存在とされる。
仏教 (ぶっきょう)
紀元前5世紀頃にインドで釈迦によって開かれた宗教。悟りを目指し、苦しみからの解放を説く。
弁財天 (べんざいてん)
音楽・芸術・財運を司る女神で、七福神の一柱。もとはインドの女神サラスヴァティーに由来する。
本尊 (ほんぞん)
寺院で中心的に祀られる仏や菩薩などの尊像。
菩提 (ぼだい)
悟りの境地を意味し、仏教における最終的な精神的覚醒を指す。
密教 (みっきょう)
真言や儀礼、曼荼羅などを用いて即身成仏を目指す仏教の一派。日本では空海が伝えた真言密教が代表的。
明王 (みょうおう)
如来の命を受けて衆生を救う守護尊で、怒りの姿によって煩悩を打ち砕き正しい道へ導く存在とされる。
弥勒菩薩 (みろくぼさつ)
未来にこの世へ現れて人々を救うとされる菩薩で、「未来仏」とも呼ばれる。
文殊菩薩 (もんじゅぼさつ)
智慧を司る菩薩で、正しい判断力や学問成就を授ける存在とされる。多くの場合、獅子に乗った姿で表される。
薬師如来 (やくしにょらい)
病気平癒や健康長寿を司る如来で、正式には薬師瑠璃光如来という。人々の苦しみを癒やす仏として広く信仰される。
来世 (らいせ)
死後に生まれ変わるとされる次の世界や人生を指す仏教的概念。
羅漢 (らかん)
仏の教えを受けて悟りに達した高僧を指し、修行の理想像とされる存在。多くは釈迦の弟子として描かれる。
臨済宗 (りんざいしゅう)
栄西によって日本に伝えられた禅宗の一派。公案を用いた修行や師との問答を通じて悟りを目指す。
霊験 (れいげん)
神仏の加護によって現れるとされる不思議な効験やご利益。
霊木 (れいぼく)
霊力が宿ると信じられる木で、信仰の対象となる。
お遍路 (おへんろ)
四国八十八箇所霊場を巡礼すること、またはその巡礼者を指す言葉。
苦行 (くぎょう)
肉体的・精神的な苦しみに耐えることで煩悩を断ち、悟りに近づこうとする修行。
結願 (けちがん)
巡礼や修行をすべて終え、願いを満たした状態やその最終段階を指す。
山岳修行 (さんがくしゅぎょう)
山を修行の場として行われる厳しい修行で、自然の中で心身を鍛えることを目的とする。
修行 (しゅぎょう)
悟りや精神的成長を目指して心身を鍛える宗教的実践。
修験 (しゅげん)
山岳信仰と仏教が融合して成立した修験道の実践で、厳しい自然環境の中で霊的力の獲得を目指す。
巡礼 (じゅんれい)
宗教的信仰にもとづき、聖地や霊場を巡り歩く行為。
同行二人 (どうぎょうににん)
「一人で歩いていても、常に弘法大師(空海)が自分と二人で一緒に歩いてくれている」という信仰を表す言葉。
遍路ころがし (へんろころがし)
遍路道の中でも特に険しい坂道や難所を指す言葉で、巡礼者が転がり落ちるほど厳しいことからこう呼ばれる。
発心 (ほっしん)
仏道に入ろうと決意し、悟りを求める心を起こすこと。巡礼の出発点となる重要な概念。
納札 (おさめふだ)
巡礼者が寺に参拝した証として納める札で、名前や住所、願い事などを書く。
祈願 (きがん)
願い事が成就するよう神仏に祈ること。
功徳返し (くどくがえし)
受けた善意や功徳に感謝し、他者へ善行を行うことで報いること。
供養 (くよう)
亡くなった人や祖先、またはすべての生き物の霊を慰め、冥福を祈る行為。
御朱印 (ごしゅいん)
寺社で参拝の証として授与される墨書と朱印。信仰の記録として大切にされる。
護摩 (ごま)
護摩木を焚いて祈願する密教の儀式で、煩悩を焼き払い願いの成就を祈る。
勤行 (ごんぎょう)
一定の作法に従って経を唱え、礼拝などを行う日常的な仏教の修行。
参拝 (さんぱい)
寺社を訪れて礼拝し、敬意を表して祈ること。
写経 (しゃきょう)
経典を書き写す修行で、心を整え功徳を積む行為とされる。
真言 (しんごん)
仏や菩薩の功徳や力を表す神聖な言葉で、唱えることで加護や悟りに近づくとされる。
接待 (せったい)
地域の人々が巡礼者に飲食物や宿などを無償で提供する風習。巡礼者への善意や功徳を積む行為として行われる。
托鉢 (たくはつ)
僧侶が鉢を持って家々を回り、施しを受ける修行。
読経 (どきょう)
経典を声に出して読み上げ、功徳を積む仏教の実践。
納経 (のうきょう)
写経を寺に納めたり、参拝の証として帳面に記帳してもらうことを指す。
納経印 (のうきょういん)
参拝の証として納経帳に押される寺院の朱印。
般若心経 (はんにゃしんぎょう)
仏教の智慧を説く代表的な経典で、正式には「摩訶般若波羅蜜多心経」という。
施し / 布施 (ほどこし / ふせ)
困っている人に物や金銭を与える慈善行為で、仏教では功徳を積む実践とされる。
脚絆 (きゃはん)
歩行時に足を保護するため、すねに巻き付ける布製の装具。巡礼など長距離歩行で用いられる。
経本 (きょうほん)
読経の際に用いる経典をまとめた書物で、巡礼者が携帯することが多い。
金剛杖 (こんごうづえ)
遍路が携える杖で、弘法大師の分身とも考えられ「同行二人」を象徴する重要な道具。
数珠 (じゅず)
読経や祈りの際に手に掛けて用いる仏具で、念仏の回数を数える役割も持つ。
菅笠 (すげがさ)
遍路がかぶる笠で、日差しや雨を防ぐ実用品であると同時に巡礼者の象徴でもある。
納経帳 (のうきょうちょう)
各寺院で納経印や墨書をいただくための帳面で、巡礼の記録となる。
白衣 (びゃくえ)
遍路が身につける白い衣で、清浄さを表すとともに死装束の意味も持ち、いつ死んでも悔いがない覚悟を示す。
輪袈裟 (わげさ)
首から掛ける簡略化された袈裟で、仏門に帰依していることを示す法具。
石段 (いしだん)
石で作られた階段で、寺社へ登る参道に多く見られる。
回廊 (かいろう)
建物や中庭を囲むように設けられた屋根付きの通路。
観音堂 (かんのんどう)
観音菩薩を祀る堂。
経蔵 (きょうぞう)
経典を保管するための建物。
境内 (けいだい)
寺社の建物や庭を含む敷地全体。
国分寺 (こくぶんじ)
奈良時代に聖武天皇の命で各国に建立された官寺。
五重塔 (ごじゅうのとう)
五層からなる仏塔で、仏教の宇宙観を象徴する。
三重塔 (さんじゅうのとう)
三層構造の仏塔で、仏教的世界観を表す建造物。
参道 (さんどう)
寺社の入口から本堂や本殿へと続く参拝用の道。
山門 (さんもん)
寺院の正門で、俗世と仏の世界を分ける象徴的な入口。
宿坊 (しゅくぼう)
寺院が運営する宿泊施設で、参拝者や修行者が宿泊できる。
書院 (しょいん)
僧侶の居室や来客を迎えるための建物。
鐘楼 (しょうろう)
寺の鐘を吊るす建物で、時を告げたり法要の合図に使われる。
地蔵堂 (じぞうどう)
地蔵菩薩を祀る堂。
神社 (じんじゃ)
神道において神を祀る宗教施設。
石仏 (せきぶつ)
石に刻まれた仏像で、道端などに祀られることが多い。
多宝塔 (たほうとう)
下層が四角、上層が円形の独特な形を持つ仏塔。
大師堂 (だいしどう)
弘法大師など宗派の祖師を祀る堂。四国遍路では特に重要。
灯籠 (とうろう)
境内に置かれる照明具で、献灯や信仰の象徴でもある。
鳥居 (とりい)
神社の入口に立つ門で、俗界と神域を分ける象徴。
仁王門 (におうもん)
門の両側に仁王像を安置し、外敵や邪気から寺を守るとされる門。
納経所 (のうきょうじょ)
寺院内で納経帳への記帳や御朱印の授与を行う場所。
拝殿 (はいでん)
参拝者が礼拝を行うための建物。
札所 (ふだしょ)
巡礼において札を納める対象となる寺院。四国遍路では八十八の札所がある。
仏足石 (ぶっそくせき)
仏の足跡を刻んだ石で、仏の存在を象徴する。
弁天堂 (べんてんどう)
弁財天を祀る堂。
宝物館 (ほうもつかん)
寺宝や文化財を展示・保管する施設。
本殿 (ほんでん)
神社の中心となる建物で、神体が祀られている。
本堂 (ほんどう)
寺院の中心となる建物で、本尊が安置される。
霊場 (れいじょう)
宗教的に特別な意味を持ち、多くの参拝者や巡礼者が訪れる神聖な場所。
桓武天皇 (かんむてんのう)
737年~806年。平安時代初期の天皇(在位781~806)。長岡京・平安京への遷都を行い、中央集権体制の強化を図った。
行基 (ぎょうき)
668年頃~749年。奈良時代の僧で、橋やため池の建設など社会事業を行い民衆仏教を広めた。後に大僧正となり東大寺大仏建立にも関わった。
空也上人 (くうやしょうにん)
903年~972年。平安時代の僧で、市中で念仏を唱えて民衆に浄土信仰を広め「市聖」と呼ばれた。
聖武天皇 (しょうむてんのう)
701年~756年。奈良時代の天皇(在位724~749)。仏教による国家鎮護を目指し、東大寺大仏や国分寺建立を推進した。
湛慶 (たんけい)
1173年~1256年。鎌倉時代の仏師で運慶の子。写実性の高い彫刻を制作し、東大寺南大門の仁王像修復などに関わった。
豊臣秀吉 (とよとみひでよし)
1537年~1598年。戦国時代から安土桃山時代の武将・天下人。織田信長の後継者として全国統一を達成し、刀狩や太閤検地を実施した。
明恵 (みょうえ)
1173年~1232年。鎌倉時代の僧で華厳宗中興の祖。高山寺を再興し、戒律の復興と厳格な修行を重視した。夢記『夢記』でも知られる。
文武天皇 (もんむてんのう)
683年~707年。飛鳥時代の天皇(在位697~707)。大宝律令の制定を進め、日本の律令国家体制の基礎を築いた。
廃仏毀釈 (はいぶつきしゃく)
明治初期に起こった仏教排斥運動で、多くの寺院や仏像が破壊された。
明治維新 (めいじいしん)
19世紀後半に行われた政治改革で、日本の近代化の出発点となった。
国宝 (こくほう)
文化的価値が極めて高いとして国が指定した文化財。
史跡 (しせき)
歴史的に重要な遺跡や場所として保護される文化財。
重要文化財 (じゅうようぶんかざい)
歴史的・芸術的価値が高いとして国が保護する文化財。
天然記念物 (てんねんきねんぶつ)
学術的価値の高い動植物や地質などを保護する指定。
特別史跡 (とくべつしせき)
史跡の中でも特に価値が高いとして指定された文化財。
名勝 (めいしょう)
景観の美しさなどから保護される文化財。